書評『14歳とイラストレーター 2』

ラノべの情報

14歳とイラストレーター
著者: むらさきゆきや
イラスト: 溝口ケージ
レーベル: MF文庫J

14歳とイラストレーター2 (MF文庫J)

14歳とイラストレーター2 (MF文庫J)

書評


 玄関に突然現れた金髪の女性マリィ=マルセル・コクラが乃ノ香に抱き着いて——!?

「キャー、かわいい! ユウトくん、いつの間に、こんなにもキュートになっちゃったの!?」

マリィはユウトがイラストを担当しているラノベの作家であること、さらに彼女が乃ノ香の好きなラノベの作家であることを知り衝撃を受ける。続けてマリィはとんでもないことを言い放つ。

「私は脱出したいの! 国内でもいいよ、温泉に行こう! 東京から遠いとこ!」

どうやら編集者と喧嘩をして逃亡を企てているようだ。
 こうして気分転換を兼ねて悠斗と乃ノ香とマリィは長崎の雲仙へ行くことになる。破天荒な性格をしたマリィに振り回されながらも旅行を満喫する3人。温泉に乱入してくるマリィと乃ノ香⁉

 第2巻は温泉回でした。2巻から登場した作家のマリィがメインで書かれていた印象。
 一言だけ言わせてほしい。とにかく女の子たちが可愛い……‼ 

「ユウトくん! 私の写真が欲しいなら、言ってくれればいいのに!」
「いやいやいや……どう考えても、風景を撮ってたでしょ」
「いつでも脱ぐよ?」
「やめて!」

 マリィの発言が斜め上を行き過ぎて、悠斗とマリィの会話がまさにボケとツッコミの応酬って感じで楽しめた。なんだろう、テンポがいいのかな……?

 1巻目に登場したキャラクターは悠斗達が旅行に行っている間の様子が書かれていて物語に厚みが増したように感じる。自分の推しキャラのハラミとナスの組み合わせで一緒に出掛ける場面は、意外な取り合わせだなと素直に思いました。というか絶対に作家さんがくっつけてみたかっただけだよね!?

 また、今回は温泉回のお話ではあるが、テーマは権利の部分である。2巻の前半部分では、ハラミが同人イベントでやらかしているシーンがある。自分はプロのイラストレーターではないから、こういった契約事項があることを知らなかったので非常に興味深かった。
 2巻の後半部分では、マリィが担当編集者と喧嘩して逃亡を図っているシーンがある。事の経緯をたどれば、小説家が書いた文章を勝手に手直ししたり、イラストを作家の許可なく通したりしてしまったことから発生した問題である。

 この小説を読みながら意外と知らない権利について知識を得られたのは嬉しい誤算だな。

 ちなみに今回も盛大に誤解を招くシーンがある。

 玄関のドアに手を伸ばす。
 内側から、乃ノ香とマリィの声がした。
「あんッ、ダメです!」
「ウフフ……大丈夫、大丈夫……イケるよ? 平気よ?」
 ——ん? なにやってるんだ?
 思わず悠斗は固まった。
 2人の声が聞こえる。
「で、でも、こんなトコ……」
「ゆっくりね? ね?」
「……やってみます……ん……ん……あッ!」
(以下省略)

 一体二人は何をしていたのでしょうね。ぜひ作品を読んで自分の目で確かめてくれ。(^^)/(ネタバレデキナイヨ!!)




14歳とイラストレーター 2 

最後まで見ていただきありがとうございます。また別の記事でお会いできることを祈っております。



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