書評『14歳とイラストレーター』

ラノべの情報

14歳とイラストレーター
著者: むらさきゆきや
イラスト: 溝口ケージ
レーベル: MF文庫J

14歳とイラストレーター (MF文庫J)

14歳とイラストレーター (MF文庫J)

書評


 悪夢にうなされ目を覚ますとコスプレをした少女が⁉

 昨晩のことを思い出し、土下座をしているところにイラストレーター仲間の錦が勝手に上がり込んできて⁉
 イラストレーター達と14歳のコスプレイヤーによる面白可笑しい日常生活を書いた物語。

「どうしましたか?」
「女の子同士に目覚めちゃいそう」
「困りますぅ⁉」

 書評の前に1つだけつっこませて欲しい。猫の名前がワコムってどうなの!?

 イラストをデジタルで書いている人ならほとんどの方がペンタブか液タブを使っているだろう。そのペンタブや液タブを製造している最大手のメーカーがWacom(ワコム)である。そのため最初に猫の名前を見たときにおぅ⁉っと思ってついツッコミを入れたくなってしまった。特に否定をしているわけではない。むしろ小ネタとしてクスっとする要素を取り入れていて好印象だった。

 それでは書評をしていこう。この小説はコメディ要素が強い作品だ。特に主人公のユウトの部屋で主人公と少女が何かをしているとき(意味深)に誰かが乱入してくる展開が多い。別に2人はいかがわしいことをしようとしているわけではなく、いたって真面目に最高のイラストを描くために奮闘しているのだが。
 第三者から見たらそういう反応になるよな!? というようなものが本当に多くて笑えて来てしまう。
毎度、神タイミングで誰かが入ってきて誤解したり驚いたりする展開は読者視点だからこそ楽しめるんだよね。

登場人物もイラストレーター達がメインで、それぞれの思考が変な方向に向いている点がより一層リアルかつ話を面白くする要素になっている印象を受けた。
 正直、登場人物で一番しっかりしているのは14歳の乃ノ香なのでは?w

「ハラミ、ちょっと俺らは出てくるから、撤収やっとくように」
「え~⁉ なんで、あたしだけ?」
「おまえ今朝は8時集合って言っといたのに、何時に来た?」
「11時でございます。撤収、お任せください」

 ここの会話が仲のいい間柄に流れる空気間のようなものを感じさせていてグッときたな。

 とりあえず一巻を読んだ段階では僕の一押しキャラは上葉良南海ですね。変態だけど。
 ころころ態度が変わるところや、ばっさりした性格が本当にいいと思う。このキャラクターがいるのといないのでは物語の雰囲気がだいぶ変わるだろう。

 各賞の間に挟まっているSNSでのやり取りも面白い!!

「あまり重い話はちょっと……」という方はこのくらいライトな物語から読んでみてはどうだろうか。破顔すること間違いなし。
早く続きが読みたいので今回の記事はこのへんで!




14歳とイラストレーター 

最後まで見ていただきありがとうございます。また別の記事でお会いできることを祈っております。



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